評価者研修完全ガイド~おすすめの研修企業9選と選び方のポイント~

評価制度が機能するかどうかは、評価者のスキルに大きく左右されます。

実際に、人事評価に関する企業の悩みで最も多いのが「評価者による評価のバラツキ」「フィードバックの質」といった評価者側の課題です。

そこで重要になるのが評価者研修です。

本記事では、評価者研修の重要性から具体的なサービス内容、おすすめの研修会社10社まで、人事担当者が知っておくべき情報を網羅的に解説します。

評価者研修とは?基本知識と重要性

評価者研修の定義

評価者研修とは、人事評価を行う管理職やリーダーを対象に、公正で適切な評価を実施するためのスキルと知識を身につけてもらう研修です。

単なる評価手法の習得だけでなく、評価制度の目的理解から効果的なフィードバック方法まで、評価者として必要な能力全般を向上させることを目的としています。

なぜ評価者研修が必要なのか

現代の企業が評価者研修を重視する背景には、人事評価制度を巡る様々な課題があります

評価のバラツキと主観の介入

評価者によって評価基準が異なり、同じ成果でも評価が大きく変わってしまうケースが頻発しています。

これは評価者の主観や感情が評価に影響してしまうことが原因です。

フィードバックスキルの不足

適切な評価ができていても、それを部下に効果的に伝える技術が不足している管理職が多く存在します。

結果として、評価結果に対する部下の納得感が得られないという問題が生じています。

評価制度の理解不足

評価制度の目的や全体像を理解せずに評価業務を行っている管理職も少なくありません。

これにより、評価制度本来の人材育成効果が十分に発揮されない状況が生まれています。

評価者研修がもたらす効果

適切な評価者研修を実施することで、企業は以下のような効果を期待できます。

組織全体の評価精度向上

評価基準の統一と評価エラーの削減により、より公正で客観的な評価が実現します。

これにより、従業員の評価結果に対する納得感が向上し、モチベーションアップにつながります。

人材育成機能の強化

評価を単なる査定ではなく、人材育成のツールとして活用できるようになります。

適切なフィードバックにより、従業員の成長を促進し、組織全体のパフォーマンス向上が期待できます。

離職率の改善

公正な評価制度の運用は、従業員エンゲージメントの向上に直結します。

結果として、優秀な人材の定着率向上と離職率の改善が見込まれます。

評価者研修で学ぶべき主要内容

人事評価制度の基本理解

評価者研修では、まず自社の人事評価制度の全体像と目的を理解することから始まります。評価制度が単なる査定ツールではなく、人材育成と組織成長のための戦略的手段であることを認識してもらいます。

具体的には、評価制度の背景にある人事戦略、評価結果の活用方法、他の人事制度との連携などを学習します。これにより、評価者は自身の役割と責任を正しく理解し、評価業務に対する意識を高めることができます。

目標設定とマネジメント手法

適切な評価のためには、期初の目標設定が重要です。評価者研修では、SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)な目標設定の手法を学び、部下と協働で質の高い目標を設定する技術を習得します。

また、目標達成に向けた期中のマネジメント手法も重要な学習項目です。定期的な進捗確認、適切なサポート提供、必要に応じた軌道修正など、年間を通じた継続的なマネジメントスキルを身につけます。

評価エラーの理解と対策

人事評価においては、様々な評価エラーが発生する可能性があります。代表的な評価エラーとして以下が挙げられます。

ハロー効果

被評価者の一つの特徴に引きずられ、他の評価項目にも影響してしまう現象です。

例えば、営業成績が優秀だからといって、チームワーク能力も高く評価してしまうケースなどが該当します。

中心化傾向・極端化傾向

評価を無難な中央値に集中させてしまう中心化傾向と、逆に極端な評価をつけてしまう極端化傾向があります。どちらも適切な評価の妨げとなります。

寛大化傾向・厳格化傾向

部下との関係性を重視して甘い評価をつける寛大化傾向と、逆に厳しすぎる評価をつける厳格化傾向も問題となります。

評価者研修では、これらの評価エラーのメカニズムを理解し、客観的な評価を行うための対策を学習します。

フィードバックとコミュニケーション技術

評価結果を効果的に部下に伝えるフィードバック技術は、評価者に必須のスキルです。研修では、建設的なフィードバックの方法、相手の受容性を高めるコミュニケーション技術、厳しい評価を伝える際の配慮などを実践的に学習します。

特に、評価面談における具体的な進行方法、部下のモチベーションを向上させる伝え方、改善点を成長機会として提示する技術などが重要な学習ポイントとなります。

おすすめ評価者研修サービス9社比較

BasisPoint Academy

BasisPoint Academyは、IT教育及びコンサル教育を提供しており、実践的で実務に活きる研修をコンセプトとし、従来の知識伝達型ではなく「スキルを伝える研修」に特化しています。

親会社のコンサルティング事業で培った実践的なノウハウを研修内容に反映させており、特にDXやIT領域での評価課題に対応した専門的な研修を提供しています。

 企業のニーズに合わせたカスタマイズ研修にも対応しており、最適な研修プログラムを提供します。コワーキングスペース「BasisPoint」、案件紹介サービス「コンサルポータル」など、包括的な人材育成エコシステムとの連携により、研修効果の最大化を図っています。

特徴・おすすめポイント

  • IT教育及びコンサル教育を提供
  • 実践的で実務に活きる研修
  • DXやIT領域での評価課題に特化
  • 包括的な人材育成エコシステムとの連携
項目内容
サイトURLhttps://basispoint-academy.com/course/hyoka/
金額実施形態、人数により変動
研修期間1ヶ月
研修形式オンライン・集合

インソース

画像引用元:評価者研修~総合ページ | 現場で使える研修ならインソース

インソースは、評価者研修において日本最大級の実績を持つ研修会社です。「なぜ評価するのか」という根本的な理解から始める独自のアプローチが特徴的です。 

組織の実情に応じたカスタマイズが可能で、実際の評価制度や評価項目に合わせた研修内容を提供しています。 

年間受講者数は約47万人で、官公庁から大手企業まで幅広い導入実績があります。 講師派遣型研修、公開講座、オンライン研修、eラーニングと多様な形式に対応しており、企業の規模や予算に応じて選択できます。

特徴・おすすめポイント

  • 評価者研修において日本最大級の実績
  • 「なぜ評価するのか」から始める根本的アプローチ
  • 組織の実情に応じたカスタマイズ対応
  • 年間受講者数約47万人の豊富な実績
項目内容
サイトURLhttps://www.insource.co.jp/kanrisyoku/hyokasyakokasya_top.html
金額実施形態、人数により変動
研修期間半日〜2日間
研修形式講師派遣・公開講座・オンライン・eラーニング

リクルートマネジメントスクール

画像引用元:中堅社員アセスメント・育成研修セミナー | 社員研修・社員教育のリクルートマネジメントスクール

リクルートマネジメントスクールは、人材業界のリーディングカンパニーであるリクルートグループが運営する研修サービスです。

長年の人事領域での知見を活かした実践的な研修内容が評価されています。 「部下育成と組織業績につながる人事評価の基本」をテーマに、評価を人材育成ツールとして活用する視点を重視しています。 

評価面談のロールプレイングが充実しており、実践的なスキル習得が可能です。 新任管理職から経験豊富な管理職まで、レベルに応じた研修プログラムを提供しています。

特徴・おすすめポイント

  • リクルートグループの人事領域での豊富な知見
  • 評価を人材育成ツールとして活用する視点
  • 評価面談のロールプレイングが充実
  • レベルに応じた研修プログラム
項目内容
サイトURLhttps://school.recruit-ms.co.jp/course/detail/k1108/
金額150,000円/名(税抜)
研修期間2日間
研修形式公開講座

日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)

画像引用元:人事評価スキル養成コース(研修)

日本能率協会マネジメントセンター JMAMは1962年から研修事業を展開する老舗企業で、累計延べ取引社数は1万社を超える実績があります。

階層別研修を中心とした体系的な人材育成プログラムの一環として評価者研修を提供しています。 

管理職の総合的なマネジメント能力向上の観点から評価者研修をとらえており、評価スキルだけでなく、リーダーシップやコミュニケーション能力の向上も併せて図ることができます。 

AI解析技術を活用した1on1実践支援サービスなど、デジタル技術を取り入れた新しい研修手法も導入しています。 個人学習と研修で人材育成を支援する総合的なアプローチが特徴です。

特徴・おすすめポイント

  • 1962年創業、累計延べ取引社数1万社超の実績
  • 管理職の総合的なマネジメント能力向上
  • AI解析技術を活用した最新手法
  • 個人学習と研修の組み合わせ
項目内容
サイトURLhttps://www.jmam.co.jp/hrm/course/training/jnk2.html
金額実施形態、人数により変動
研修期間1日間
研修形式対面・オンライン

PHP人材開発

画像引用元:評価者研修(講師派遣)のご提案【資料ダウンロード】|PHP人材開発

PHP人材開発は、松下幸之助の創設したPHP研究所を母体とする研修会社です。

人間性を重視した独自の人材育成理念に基づく研修プログラムが特徴です。 評価者の人間性とマネジメント能力の両面を向上させることを重視しており、技術的なスキルだけでなく、評価者としての在り方や心構えについても深く学習できます。

 一次評価を担う課長職を主要ターゲットとしており、部下との関係性構築から始まる実践的なアプローチを採用しています。

 人事評価制度が機能するかどうかのキーマンは一次評価者にあるという視点から、評価プロセスの重要性を理解してもらいます。

特徴・おすすめポイント

  • 松下幸之助創設のPHP研究所が母体
  • 人間性を重視した独自の人材育成理念
  • 評価者としての在り方や心構えを重視
  • 一次評価者の重要性に焦点
項目内容
サイトURLhttps://hrd.php.co.jp/management/casestudy/post-1296.php
金額実施形態、人数により変動
研修期間1〜2日間
研修形式講師派遣・公開講座

リスキル

画像引用元:評価者研修【人事評価の目的と評価のポイントを理解する】 – 社員研修のリスキル

リスキルは、オンライン研修に特化した新しいタイプの研修会社です。短時間で効率的に学習できる研修プログラムと、柔軟な実施形態が特徴です。

目標設定から評価面談まで、評価プロセス全体を体系的にカバーする研修を提供しています。特に、実践的なワークが豊富で、受講者が実際の業務にすぐに活用できる内容となっています。 

1時間から6時間まで、企業の都合に合わせた研修時間の調整が可能です。

eラーニング形式での提供にも対応しており、多忙な管理職でも受講しやすい環境を整えています。 評価者に期待される役割や求められる基本能力、目標管理の流れなどを効率的に学習できます。

特徴・おすすめポイント

  • オンライン研修特化型
  • 1時間〜6時間の柔軟な研修時間設定
  • 実践的なワークが豊富
  • eラーニング対応で受講しやすい
項目内容
サイトURLhttps://www.recurrent.jp/categories/evaluation-evaluation
金額実施形態、人数により変動
研修期間1時間〜6時間
研修形式オンライン・eラーニング

ユーキャン法人向け研修

画像引用元:法人・企業向け人事評価講座(eラーニング研修)|企業向け人材育成・社員研修サービスのユーキャン

ユーキャン法人向け研修は、通信教育で培ったノウハウを活かし、学習効果の高い研修プログラムを提供しています。

特に、基礎から応用まで段階的に学習できる構成が評価されています。 人事評価制度の基本理解から実践的な評価スキルまで、体系的に学習できるカリキュラム構成となっています。

また、業界や企業規模に応じたカスタマイズも可能です。 評価者研修は日本の7割以上の企業で導入されており、公正公平な評価を行うために重要な研修として位置づけられています。 適切な評価・処遇決定、効果的な人材育成、優秀な人材の確保を目的とした包括的な内容を学習できます。

特徴・おすすめポイント

  • 通信教育で培ったノウハウを活用
  • 基礎から応用まで段階的学習
  • 体系的なカリキュラム構成
  • 業界・企業規模に応じたカスタマイズ対応
項目内容
サイトURLhttps://www.u-can.co.jp/houjin/e-learning/line_up/1672/
金額11,000円(税込)
研修期間1ヵ月
研修形式eラーニング

マイナビ研修サービス

画像引用元:評価者研修 | マイナビ研修サービス

マイナビ研修サービスは、人材採用で培った企業の人事課題に関する深い理解を基に、実務に直結する研修プログラムを提供しています。 

評価業務の全体像を体系的に理解した上で、具体的な評価手法とフィードバック技術を習得できる構成となっています。

特に、ケーススタディを多用した実践的な学習が特徴です。 公開型、講師派遣型、オンライン形式など、多様な実施形態に対応しています。 評価者としての役割・目的を理解し、一連の評価の流れ、ポイントを学習し、演習を通して実践することで、評価者としての在り方を学びます。

特徴・おすすめポイント

  • 人材採用で培った企業の人事課題への深い理解
  • ケーススタディを多用した実践的学習
  • 多様な実施形態に対応
  • 評価者としての在り方を重視
項目内容
サイトURLhttps://hrd.mynavi.jp/service/service-21455/
金額実施形態、人数により変動
研修期間1日間
研修形式講師派遣、公開型

三菱商事ビジネスサポート

画像引用元:評価者研修| SMBCコンサルティング 教育サイト

三菱商事ビジネスサポートは、三菱商事グループの人材育成ノウハウを活かした研修サービスを提供しています。

大手企業での実践経験に基づく高度な研修内容が特徴です。 評価制度を人材育成の戦略的ツールとして活用する視点を重視し、組織成果につながる評価スキルの習得を目指しています。 三菱商事では「構想力」「実行力」「倫理観」を高い水準に開発することを人材育成の基本方針としており、評価者にもこれらの能力向上を求めています。

360度マネジメントレビューや成長対話など、最新の評価手法についても学習できます。

特徴・おすすめポイント

  • 三菱商事グループの人材育成ノウハウ
  • 評価制度を戦略的ツールとして活用
  • 「構想力」「実行力」「倫理観」の開発重視
  • 360度評価などの最新手法
項目内容
サイトURLhttps://www.smbcc-education.jp/training/training_skill/training_evaluation/
金額実施形態、人数により変動
研修期間要問合せ
研修形式集合研修・講師派遣型

研修会社選びのポイント

自社の課題とニーズの明確化

評価者研修を選ぶ際は、まず自社の現状課題を正確に把握することが重要です。評価のバラツキが問題なのか、フィードバックスキルが不足しているのか、それとも評価制度自体の理解が不十分なのかを明確にしましょう。

課題の特定には、従業員満足度調査や評価制度に関するアンケートの実施が有効です。また、評価者自身からのヒアリングも重要な情報源となります。

研修形式と実施体制の検討

研修の効果を最大化するには、自社の状況に適した研修形式を選択することが重要です。

講師派遣型研修

自社の評価制度や企業文化に合わせたカスタマイズが可能で、機密性の高い内容も扱えます。ただし、コストは比較的高くなる傾向があります。

公開講座

他社の参加者との交流により、新たな視点を得ることができます。コストを抑えられる一方、自社特有の課題への対応は限定的です。

オンライン研修・eラーニング

時間や場所の制約が少なく、多忙な管理職でも受講しやすい形式です。ただし、双方向のコミュニケーションや実践的なワークには制限があります。

継続性とフォローアップ体制

評価者研修は一度受講すれば終わりではなく、継続的なスキル向上が必要です。研修後のフォローアップ体制が充実している会社を選ぶことで、長期的な効果を期待できます。

具体的には、研修後の個別相談、定期的なスキルチェック、アドバンスコースの提供などがあるかを確認しましょう。

コストパフォーマンスの評価

研修費用は単純な金額だけでなく、投資対効果で評価することが重要です。研修による評価精度向上、従業員満足度改善、離職率低下などの効果を総合的に考慮しましょう。

また、助成金の活用可能性についても確認することで、実質的なコスト負担を軽減できる場合があります。

さいごに

評価者研修は、組織の人材育成と成長を支える重要な投資です。適切な評価制度の運用により、従業員のモチベーション向上、組織パフォーマンスの改善、優秀な人材の定着など、様々な効果を期待できます。

研修会社の選択においては、自社の課題とニーズに最も適したサービスを提供できるパートナーを見つけることが重要です。本記事で紹介した10社はそれぞれ異なる特色と強みを持っており、企業の状況に応じて最適な選択肢を見つけることができるでしょう。

評価制度の成功は、評価者のスキルと意識にかかっています。適切な研修投資により、組織全体の評価文化を向上させ、持続的な成長を実現していきましょう。

BasisPoint Academyでは、IT・DX人材の評価に特化した評価者研修プログラムをご用意しています。技術系人材特有の評価課題や、デジタル時代に求められるマネジメント手法など、御社の状況に合わせたカスタマイズも可能です。 ぜひお気軽にご相談ください。

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